02.廊下を走っちゃいけません

「廊下を走っちゃいけません!!!しかも全力疾走で走るなんて!」

私たちは、まとめて6人マクゴナガル先生に怒られていた。
隣を見るとセブルスが苦々しい顔をしている。
あとで何かお詫びをしなきゃ。読み終わった本とかお菓子とか…何がいいだろう。


こうなった事の発端は、私がセブルスの本をちらっと見たところから始まるのだと思う。





「この本、何ていう本?」
「あぁそれは――」

私はセブルスの本を手に取った。

「「!」」
「うわ出た」

遠めにシリウスとリーマスが見えた。こちらに向かって走ってくる。
私は思わず条件反射で、シリウスたちとは逆方向に走り出した。
そう、セブルスの本を持ったまま。





「おい、逃げるなら本を置いてから行け!」

本を返してもらうために走るセブルス。ごめん、今更止まれない。

「待てよ!」

私にちょっかいをかけるために追いかけるシリウス。いい加減にしてくれ。

「どうして君と一緒にがいるんだい?」

走りながらも笑顔を振りまいているリーマス。真っ黒な笑顔が怖いです。

「追いかけっこなんて久しぶりだなぁ!」

何故か意気揚々としているジェームズ。頼むからリリーと二人でラブラブしててよ。

「ハァ・・・ハァ・・・」

早くも息が上がっているピーター。いや体力なさすぎでしょ、ってそういうことじゃなくて!

「追いかけてくんな、悪戯4人組!」

必死で逃げる私。もういや!



必死の追いかけっこはマクゴナガル先生に捕まるまで10分ほど続いた。
元はといえば、そう!シリウスとリーマスが悪いんだ…。私を見つけるから。
あとでリリーに頼んで制裁を加えてもらおう。





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2006/1/14 UP