第2話 ただいまの時間、午後1時。 私は亜紀人のグループに混ぜてもらって屋上で昼食をとっていた。 あらかた自己紹介なんかは済ませてほのぼの雑談中。 「どっかのチームに入ってんのか?」 「一応ねー」 「俺たちのチームに入る気はねぇ?」 「ちょ、イッキ君何誘ってんの!」 「何も亜紀人が焦ることはないだろ」 カズ君が亜紀人にツッコミを入れた。 「まぁ…考えとくよ」 「ちゃん…まさか入る気じゃないよね?」 「どうだろうねー」 「ちゃんが入ったら小烏丸は壊滅しかねないよ」 「それって強いの?弱いの?どっち?」 不思議そうな顔をする面々。 「強すぎるんだよ。仮に小烏丸に入ったらちゃんを独占しておきたいチームメイト達が襲ってくる可能性があるってコト」 「ま、保留にしておいてくださいな!」 にっこりと言っておいた。 「なぁなぁ!宇堂の戦レベル測らせろよー!」 「んー、別にイイけど、戦レベルは大したことないよ?私はあんまりバトルでは活躍しない方だし」 ごそごそとバックの中からA.Tを出して履く。 ピピピッ 「戦レベル80だってよー!」 「すげぇな…」 「今日の放課後練習すんだけどさ、宇堂来ないか?」 「今日は暇だし…行こうかな」 * * * * * * * * * * * * * * 放課後、グラウンドの端のほうで咢に話しかけられた。 「おい、どういうつもりだ?」 「どういうつもりって?」 「なんでいきなりこの学校に転校してきた?」 「そんなの聞かれても困るよ」 「意味分かんねぇよ、ファック!」 「海人が勝手に手続きしたんだもん。私の方が知りたいくらい」 そう言うと、咢は盛大なため息を吐いた。 「ファッキンカラス共がお前の技を見たいって叫んでたぜ」 「そうなの?困るなぁ…。まぁ『敵』じゃないからいいけど」 「万が一『敵』だったらアイツらは地獄に行くことになるだろうな」 「そうだね」 ニヤっと笑う。まるで獣のように。 A.Tで走ってイッキ君たちのもとに行く。 「咢から聞いたけど…私の『技』が見たいって?」 「そうそう!見せてくれよー」 「言っとくけど私の『技』は速いからね。目、疲れるよ。あと追いかけてこなきゃいけないしねー」 「お前ら良かったな、コイツの『舞』は希少価値高ェぜ?」 「『舞』?」 「私の『技』の別称」 「A.Tやってるヤツでお前の『舞』を見たヤツはほとんどお前に勝てなかったよな」 「まぁ咢とは引き分けだったし…。負けたといえばスピ君とか兄貴くらいかなー」 「兄貴もA.Tやってんのかー」 「兄弟揃ってすげぇのな」 「ま、見てなさいって。私の『舞』を」 にっこりと嗤った。 next 2005/9/4 UP |