第4話

プルルル...プルルル...

「はーい!ちゃんです!」
『俺だ』
「あぁ・・・タカトか。どうかしたの?」
『ヤマトがミーテしたいって。来れるか?』
「行けるよ。どこ?」
『ヤマトんち。他のメンバーは揃ってるから』
「OK!超特急で向かいます」
『おう』

電話を切ったは、鞄を抱えなおして方向転換をした。






マンションのエントランスで505室の住人を呼び出す。

「来たよ。開けて」

すると、返答はなくドアだけが開き、中に入ってエレベーターの5階のボタンを押した。
505室に着くと、インターホンを押し、『開いてる』との返事が返ってきたので中に入る。
部屋の中には5人の男がいた。
テーブルを囲むように座っている中で、と同じチームのメンバーは4人。
一人は超獣のメンバーだった。


「お待たせ」
「いや、急だったからな」
「あれ、なんで左くんがいるの?」
「代理ですよ」

は鞄を適当なところに置き、椅子に座った。





Aクラス、百鬼。

のチームである百鬼は、名前に入っている通り、100人で構成されているチームだ。
5人のトップに、それぞれ19人のライダーが付いていて、5個のグループに分かれている。
現在、百鬼自体の存在は最早伝説に近いものがあり、5個のグループがそれぞれ単独に活動している状態だ。
その隊員も百鬼のメンバーであることはあえて言わずにいる。
グループ自体もA,Bクラスで、メンバーは強豪ぞろいだ。

今日集まった6人は、それぞれ神鬼、殺鬼、雅鬼、豪鬼、舞鬼と呼ばれるグループのリーダーたちと、
超獣の四聖獣『時の支配者』――アイオーン・クロックと呼ばれている、左安良だった。

『神鬼』は百鬼の総リーダーである、神谷大和。大学2年生。物静かで思慮深い。リーダーを務めるグループは高雅。
『殺鬼』は百鬼のNO,2である、神谷貴人。大和とは双子だが対照的な性格で、同じく大学2年生。グループは邪鬼。
『雅鬼』、一乗寺洋佑。高校2年生。家が名家で華道や茶道などに長けている。グループは風雅。
『豪鬼』、城戸修平。洋佑と同じ高校だったが、1年で中退をして現在フリーター。グループは武神。
そして『舞鬼』、宇堂。中学3年生。グループは神楽。
それぞれ個性を持った走り方をする暴風族だ。





「じゃぁ、早速本題に移る。
 噂になってるから聞いたヤツもいると思うが、小烏丸とかいうチームについてだ」
「小烏丸!?」
「なんだ、。知らなかったのか?」

思わず素っ頓狂な声を出したに、タカトが聞くと、はため息を付きながら声を出した。

「ここのところ転校とか色々とあってね」
「つーか、その制服ドコ?」
「東雲東中。亜紀人が通ってるトコ」
「へー。はどんな制服着ても可愛いな!」
「んで、ヤマト。続き」

修平の所為で話が逸れたがが先を急かすと、再び大和が話し出した。
無視された修平は、一瞬ショックを受けたが大和の方を向いた。

「最近、ここいら一帯のチームがどんどん潰されていっている。
 親交があるチームのところにいた、邪鬼の隊員にも被害が及んだらしい。
 タカトが聞いたところ、『小烏丸にやられた』と言っていたそうだ。
 アキラの傘下チームのヤツもやられたらしい。だから左にも来てもらったんだがな。
 まだ邪鬼以外のメンバーは被害にあってないが、時間の問題だろう」
「でもウチの子たちはそんなに活動的じゃないからすぐにはないだろうけどね」
「はーい」
「宇堂さんどうぞ」

手をあげたにタカトが当てた。

「小烏丸ってさぁ、そんなに強くないチームなんだけど。咢以外」
「あー。っつーか咢のチームなんだ」
「これはアキラに喧嘩売ってるのかもしれないねぇ」
「因みに何クラス?」
「F」
「じゃぁ俺たちの出る幕じゃぁねぇなぁ。どうよ、アイオーン?」
「そうですね・・・」

左は顎に手を充てて、考え込んだ。

「相手が元牙の王だとすると宇堂くんも黙っちゃいられないでしょうし、ベヒーモスが出るということで構いません。
 早急に手立てを打ちましょう」



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2006/1/25 UP