第6話 夜中の工事現場。 今日はここで、ベヒーモスの集まりがあった。 小烏丸に、バトルを――喧嘩を売るをすることを発表するために。 風ちゃんとミツルと離れて、先回りして工事現場にやってきた。 そして周りを見渡せる高台に上って辺りを窺う。 既に傘下のメンバーたちは揃っていて、そこへ、ミツルたち四聖獣たちが到着する。 更に後ろから、小烏丸のメンバーがコソコソと入ってくるのが見えた。 ・・・こっちからはモロバレなんですけどね。 「――・・・僕のハンマーで叩き潰してあげるよ。グシャっとね」 あ。 グシャァッ あー、アレはヤバいよ。 ミツルキレるって。 咢もキレ気味だし・・・ 「キ・・・キキ・・・キサ・・・キ・サ・マ・・・ バトルをまつまでもない――今すぐここで・・・死、」 「オイウル目!!キサマはすでに死んでいる!!!」 イッキの言葉とともに、ミツルの鼻から血が流れ出した。 へぇ・・・ミツルに一発入れたんだぁ・・・ 「史上最強!?最大!?ふざけろ テメェらがノコノコ俺らのエリアに攻め込んでくんのをよ・・・ ノンビリまってるほどこっちはヒマ人じゃねぇ!! やってやるぜDクラス!! ガチンコだ!」 「・・・図にのんなよ・・・クズが・・・」 宣戦布告をするイッキくんたちに、相当キレてるミツル。 うーん・・・ここは止めておいた方がいいのかな。 「この罪・・・テメェラ・・・千回ウンコに生まれ変わっても許されねェ・・・ッ!! パーツ・ウォウ!?甘えたこと抜かしてんじゃねェぞ・・・この場でテメェラ全員万回ウンコだ!!」 「下品だよミツル」 万回ウンコって・・・思わず突っ込んでしまった。 きっと洋佑なら侮蔑の表情を浮かべるに違いない。 本格的に喧嘩モードになってきたけど・・・ 私が止めるまでもないみたいね。 「・・アキラ!!」 「・・・今この場でお前達を皆殺しにするのは、巨像が蟻を踏み潰すが如くたやすい。 だがそれでは周りのチームに「示し」がつかない。 この「超獣」に牙をむいたケモノがどういう末路をたどるかをあらゆる耳目に晒さねばならない。 ・・・それが”王者のバトル”。バトルは10日後、満月の夜!」 アキラが高らかに言った。 我が兄ながら、ここ最近凄みが増してきたと思う。 「彼女がいる奴ァ抱いてから来い!!」 「思い残すことがないよーにねっ」 涼ちゃんが言ったところで、地面に降り立つ。 「っ・・・!!」 「どうして君がここに・・・」 「・・・「超獣」に簡単に勝てると思わない方がいいわ。例え、イッキくんと、咢がいたとしてもね―― 同情を意を込めて、両方とも応援はしないであげる。行きなさい」 イッキくんたちは、戸惑いの表情を浮かべながら、工事現場を後にして、去っていった。 「ちゃん!久しぶりね〜!元気にしてた?」 「うん、最近また活動を本格的に始めてね。この前も百鬼としてバトルやったりとか」 「今度遊ぼうね!」 「」 涼ちゃんと喋っているところに、アキラがやってくる。 「アキラ――兄貴も、久しぶり」 「ああ。元気にしてたか?――海人さんも」 「うん、みんな元気だよ。今回はなんだか悪いね」 「いや・・・咢とはどっちみち決着を付けたいと思っていたんだ。それより――」 「神楽の方も、百鬼の方も、心配しないで。何とかやってるから。 ――10日後・・・楽しみにしてるよ」 そして私は、工事現場を後にした。 next 2006/1/30 UP |