「・・・どこだろ、ここ」





一陣の冷たい風が私の周りを駆け抜ける。(北風なのだろうか)
遠くからは喧騒と、金属音。


まさか、殺し名同士の衝突とかじゃないよね?
そうだったら全力疾走で逃げるから。

私がいてよかったことなんて、今の今まで一度だってないし。

っていうか何で私はここにいるんだろう?夢? 仕事を終えて、さっきまで普通にぼーっとしながら路地裏を散歩してたはずなのに。 仕事着を着たまま散歩してたのはちょっとマズいかもしんないけどさ。 もしかして知らないうちに一里塚さんの『空間製作』にあったとか? それにしてもこんな場所、京都にはないから違うか・・・。


ポケットを確認すると、ちゃんと『道具』は入っていたし、 左手の革グローブと右手首の『装置』も正常に作動していた。


まぁ、ここが何処だって《瞬間殺戮》 キルモメンツ の私には関係ない。

闇口であり、零崎無織である、私には。

どこにいたって、忌み嫌われる《モノ》だから。





「・・・Shit!」





ちょっと遠くに木の陰をよろよろと歩いている人発見。
ここが何処かを聞いてみよう。



「あのー・・・お兄さんちょっといいですか」

「・・・!誰だ、てめぇ・・・。ウチの軍じゃないだろう」


何かすごい驚かれてるし。
まぁ瞬間移動してるように見える・・・かも。かも。
いや、実際は速く移動してるだけなんだけどね。


「えぇと、私、闇口と申します。 この場所に迷い出てしまったようで。ここ、どこですか?」
「迷い出ただと?この先は何もないはずだ・・・。まぁいい。ここは甲斐だ」
「甲斐?甲斐って長野とか山梨とかのあたりですよね?」
「長野だぁ?HA!聞いたこともねぇな」


・・・・・・・・。
長野を知らない。ってことは常識人じゃないか引きこもりか。
ここは甲斐、ということは日本であることは間違いない。 見れば刀に着物。時代村か。そうなのか。

もしかしたら、とひとつの可能性を思いつく。 これは可能性でも何でもなく、事実なのかもしれないけれど、 今のところは可能性に留めておきたいのが私の切実な願いだ。


ぼーっと考えていると、不意に『彼』に腕を掴まれて引きずられた。


「ちっ・・・敵兵が来たか・・・こっち来い!」
「・・・ん?逃げてるんですか?」
「・・・・・・」


どうやら認めるのが嫌らしい。





「ここで逢ったのも何かの縁でしょう。お助けします」





あなたの血が止まるまでは。


だからさっさと止血してください。



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2006/7/31 UP
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