『本当にお前は10年前から変わっていないな・・・』 『・・・変わっていないわけじゃないのよ。後でちゃんと話すけれど・・・ そういえば、セブルス、ここまで「姿現し」で来たの?』 『当然だ』 『じゃぁホテルとか取ってないわよねぇ』 『ホテル・・・?』 『だってそこらのカフェでする話でもないでしょうが』 「仕方ない、長屋に帰るしかなさそうね」 小烏丸の練習を早退したは、長屋に帰ってきていた。 長屋の玄関で立ちすくむセブルス。 『ここが今住んでる家。・・・セブルス、靴脱いで』 『・・・文化の違いだな』 とセブルスが玄関口で話していると、居間から蜜柑が出てきた。 「お?か?早いな。どうしたんだ?」 「私にお客さん。この人ね。セブルス・スネイプっていうの」 辺りをきょろきょろと見回していたセブルスをが突くと、セブルスは蜜柑に軽く会釈をした。 「今日は私の部屋は立ち入り禁止だからね。イッキとかにも言っといて」 「なんだ?の男かよ」 「ん、そんなトコ」 「・・・お前、すげー年上趣味だったんだな・・・。 大丈夫だぜ。何聞こえても、聞こえてない振りしててやるから」 はニヤニヤする蜜柑を無視して、階段を駆け上がった。 自分の部屋のドアを開けて、セブルスに先に入るように促す。 先に入ったセブルスがベッドに腰掛けるのを見てから、部屋に入り、鍵をかける。 イッキが帰ってきたときのための予防策だ。 そして、座っているセブルスに無言で抱きつくと、どちらからともなくキスをした。 セブルスはを移動させてベッドに押し倒した。 『昼間っから盛んね』 『悪いか?10年ぶりだぞ?』 『下に蜜柑がいるのに・・・それに、先に話さなくていいの?』 『構わん』 そしてセブルスはの首もとに顔をうずめ、首筋にキスをした。 1時間ほど後、はセブルスに腕枕をさせられながら、膨れていた。 『・・・・・・久しぶりに会ったのにいきなりするなんて』 『お前がそんなスカートを履いているのが悪い。短すぎる。誘ってるとしか思えん』 『日本の女の子はこれが普通なの。っていうかこのスカート、うちの中学の制服だし』 『そういえば・・・手紙を読んでから思っていた。・・・なぜお前は日本の中学なんぞに通っている?』 いきなりの質問が核をついていたことに、は一瞬狼狽した。 そして思い切って、10年前に起こったことを話しはじめた。 ヴォルデモートに襲われ魔力を奪われたこと、父親に日本に送られたこと、 気が付いたら幼児ほどまで縮んでいたこと、本家の人々から一時期虐げられていたこと、 自分自身もいっぱいいっぱいで、ダンブルドアに連絡をする余裕がなかったこと、 祖父母がこの家に住めるようにしてくれ、生活費を送ってくれていること、 母親の実家によって中学に通わせられていること。全てを打ち明けたを、セブルスは強く抱きしめた。 そして今度はセブルスがに話をする番。 セブルスは自分が知っていることを全て、に話した。シリウス・ブラックのことなどは話そうか躊躇われたが、 隠していたところで、いずれは知ることになるだろう。それならば包み隠さずに教えた方がいい。 は全てを知り、涙を止めることができなかった。泣いても何もならないと良く分かっていたけれど。 親友の死に、親友の裏切り。信じられないことばかり。 『そんな――嘘でしょう?それにあなたも――大丈夫だったの?』 『私の方は問題ないが・・・残念ながら、事実だ』 『・・・リリーと、ジェームズのことは、それなりには覚悟していたの。でも――シリウスが・・・本当に?』 『今はアズカバンに収容されている』 『・・・そう』 『ダンブルドアは、が生きていると分かった今、ホグワーツに戻ることを望んでいる』 『それは――』 『教師、あるいは生徒として――の希望に任せるそうだが』 黙ってしまったの頭を撫で、セブルスはできるだけ優しく言った。 『お前も感づいているとは思うが、ダンブルドアは闇の帝王の復活が近いとみている。 日本で1人隠れることは得策ではない。ポッターの息子・・・ハリー・ポッターも新学期にはホグワーツに入ることになる。 それに、我輩もホグワーツで魔法薬学の教師をしている。 ――新学期までは半年ほどある。迷っているのなら悩めばいい。ダンブルドアはいつでものことを歓迎する』 『・・・セブルスは?新しい恋人とか――私のこと邪魔じゃない?』 『我輩は10年経った今でも、のことを愛している。・・・愛していない女なぞ、誰が抱くか』 『でも、』 『でもじゃない。ならば聞くが・・・。お前は新しい男でも作ったのか?』 『そんなわけないじゃない。・・・私は今でもセブルス一筋よ』 『ならば十分ではないか・・・我輩も一筋なのだから。 随分と遅くなってしまったが――・・・我輩と結婚してくれないか』 『こんな奥さんでよければ』 とセブルスは再びキスをすると、抱き合いながらしばしの眠りについた。 が去ったあとの、小烏丸では。 「なぁ、リンゴ。あいつ誰だったんだよ?」 「ん?」 「あのと抱き合ってた外人」 「えーと、ちゃんはセブルスって言ってたような・・・」 「セブルス・スネイプって名乗ってたよー」 リンゴが自信なさげに言うと、弥生が補足をした。 「セブルスが名字でスネイプが名前?」 「スネイプが名字でセブルスが名前。日本人じゃないんだから」 「つーか!何だよアレ!」 「ちゃんの彼氏かもね」 憤慨するカズに言うブッチャ。カズは肩を落とした。 「マジかよ・・・」 「そう言えば、前にちゃん恋人いるって言ってたよね」 「でもそれにしたって年上過ぎない?」 「見たところ30くらいって感じかな」 「・・・犯罪じゃねぇか!」 「・・・合意の上ならいいんじゃない?」 その後、密かに「と年上男を別れさせよう計画」を話し合うメンバーがいた。 2006/2/6 UP 濡れ場シーン・・・書いたほうがいいですか?(何 |