「な・ん・の・よ・う・で・す・か?ゴシュジンサマ」
「Hey,kitty!言葉が刺だらけだな」
「気のせいですよ。それに邪魔する方が100倍悪いと思います」

恨めしげな視線を政宗に送り、その後、周りを一瞥する。
やたら図体のでかいおっさんが正座して座っていた。

「この戦は俺の勝ちだ。武田軍は俺ンとこに下ることになった」
「ふーん」
「さっきの門まで行って来て、真田幸村連れて来い」
「えー。面倒くさ――」
「Alright?」
「人使いが荒いなー。人選間違ったかなー」





「どうしよう、これ全部回収しきれるかなぁ」

真田さんのところに行くと、やはり抵抗した跡があって、曲絃糸がところどころ切れていた。 こんな細くて頑丈な糸、よく切れたなぁ。


んで、肝心の真田さんは、睡眠中。


・・・それってどうよ。


とりあえず私は、長く残っているところだけ回収して、 使い物にならないところは思い切って放置することにした。 足りなくなったら『零式』用の曲絃糸を使いまわそう。 今気づいたけど、こっちじゃ武器の調達はできないんだから大切に使わなきゃ。



「よくこの体勢で寝れたなぁ・・・よっと」

真田さんを担いで運ぶ。
意識がない人を運ぶのは結構疲れる。ぐにゃぐにゃだし。
鍛えておいてよかったけど、女の子の力じゃないよね、私の腕力って。





「お荷物をお届けに来ましたー」

私は政宗の後方の木の枝に着地して、ぽいっと真田さんを放る。 もちろん誰も受け止める人なんていないから、真田さんはドゴッと地面に激突する。

「むっ!ここはどこでござるか!はっ!無事でございましたか、お館さまぁぁぁっ!」
「幸村ぁぁぁっ!」
「お館さまぁぁぁっ!」

え、何でこのシーンで殴り合いなワケ?
私疲れてるんですよ本当に。頭に響くようなことやめてほしいな。

「・・・超うるさい。・・・政宗ー。私疲れたから休みますね。休みますよ。いいですね?」
「・・・ああ。ご苦労だったな」


近くにあった馬に飛び乗って、驚いた馬を落ち着かせてもたれかかる様に半分横になる。

顔を政宗の方に向けてみると、でっかいおっさんが真田さんに何やら言っていて、 真田さんは「某が不甲斐無いばかりに・・・お館さまぁぁぁっ!」とまた殴り合いを始めた。 ・・・ある種のコミュニケーションなのかな、世の中には色んな人がいるんだね。




「おい、Wake up!」
「んー」
「ちょっと前にずれろ」
「んー」
「よっ・・・」
「ん・・・?何で私の後ろに乗るわけ?」
「コイツは俺の馬だからな」
「あーそうですか」


世の中の普通の女の子だったら喜びそうなシチュエーション。お馬さんに二人乗り。 でも結構無理があると思うんだけど。密着してるし狭いし暑いし。・・・まぁいっか。



「武田のおっさんは俺ンとこに下ることになったって言ったよな? つまりこれからはあいつらは仲間だからな、殺すなよ」
「主の命令ならば」
「・・・よし」

なんか釈然としない響きがあったのは気のせいかな。 まぁ顔見れないし見る気もないから気のせいということにしておこう。 もしかしたら「絶対忠誠」が嫌いな類の人かもしれないし。 そういう趣向の人も存在するからね。





「野郎ども!!一気に奥州まで行くぞ!!!Are you ready!?」



「yeah―――!!!」



・・・元気ですこと。



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2006/8/6 UP
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